スペインで小型の携帯電話が急激に一般化し始めたのは98年夏のことです。それまでは大きくてゴツイ電話機で、しかもネジ式アンテナでした。通話料も高く、公衆電話から携帯にかけると、最低料金は100ペセタ(94円)もしていました。スペインでは大学生が家探しをするとき、新聞広告を見て公衆電話から大家さんに電話をしますが、広告に携帯の番号が掲載してある物件は全てパスしていました。ビジネスで必要とする人たちは早くから携帯を使っていたようですが、一般の学生にはまだまだ“高級品”でした。
そのイメージを払拭したのが、98年夏に発売した「MoviStar」の“Activa Cuatro”(アクティバ・クアトロ)です。カラフルなデザインシリーズで売り出した機種の価格は25000ペセタ(23,500円)でした。サービスは、午後4時以降の通話料が25ペセタ(24円)という、当時としては画期的な料金設定でした。しかも通話料4000ペセタ(3,760円)分込みですから、本体価格は21000ペセタ(19,740円)となります。これを境に、クリスマスやボーナスシーズンになると各社値下げを始めたので、現在では通話料込みで60ユーロ(7,800円)前後で購入することも可能です。もちろん、安い携帯電話は精度が良くなかったり、オプション機能が少なくなりますが、年々種類も増えて選択の幅は広がっているようです。 |