スペインに留学しようと思ったきっかけは?
大学で中南米文化を勉強していたので、その頃から、いつかスペイン語を勉強してスペインや中南米を訪れたいと思っていました。大学を卒業して就職10年目に仕事を辞め、夢を実現しました。
マラガを選んだ理由は?
まずは、海に近い地方都市でスペインの生活に慣れてから、マドリッドやバルセロナなどの大都市に移ろうと考えていたので、地方を中心に学校選びを始めました。マラガを選んだのは、某社の留学相談所で紹介してもらった学校の中で、行きたい学校「マラカ・インスティテュート」がマラガにあったからです。
語学学校の入学申し込みから学生ビザ取得までについて教えて下さい。
まず、「マラカ・インスティテュート」には4ヶ月分の授業料だけを払って、入学許可書を日本に送ってもらいました。1年間の留学予定でしたが、ずっと一ヶ所に滞在するつもりはなかったので、1年分の授業料は納めま
せんでした。学生ビザの申請は東京のスペイン大使館でしました。夏の時期は申請数が多く、発行時間がかかるそうなので、余裕をもって準備しました。
留学する前、スペイン語のレベルはどれくらいでしたか?
留学する1年前から、スペイン語の塾で文法の勉強をゼロから始めました。また、仕事を辞めてから留学するまでの3ヶ月間は集中的に文法の勉強をしました。しかし、留学時点では、現在形と過去形までしか終わりませんでした。
マラガで通った学校「マラカ・インスティテュート」について教えて下さい。
施設は語学学校とは思えないほど豪華でした。アンダルシア調の建物をした学校内には、テラス、バル、プール等の施設が整い、敷地内に寮もありました。また、映画ビデオや新聞が置いてある図書館や自習室も自由に利用できました。
クラスは1クラス10人までで、レベルは10段階までありました。生徒の割合は時期によって異なりますが、一般にドイツ人、スエーデン人が多く、日本人の数は全体の1割程度でした。1日の授業時間は、文法が2時間、ゲームやクイズを取り入れた応用的な授業が1時間、会話の授業が1時間の計4時間でした。この学校の特徴は、各授業の担当講師が毎日替わることです。引き継ぎに関しては、先生どうしの連絡が十分に行われていたので、授業が重複するようなことはありませんでした。テキストはオリジナルテキストや市販のテキストを使用していました。
マラガでのホームステイについて聞かせて下さい。
住居は3回替えたので、順番にお話します。
1.(ホームステイ)まず、語学学校から紹介してもらった家庭に2ヶ月間ホームステイをしました。ここには、私の他にも、日本人とドイツ人の留学生がいました。留学生の扱いに慣れている家庭だったので居心地よかったのですが、この一家がブラジル旅行に出かけるということで全員家を移ることになりました。
2.(ホームステイ) 同じく学校の紹介で次のホームステイ先に移りました。その家庭には5歳と10歳の子供がいたのですが、その子供たちが私に向かって人種差別的なことを口にするため、毎日不快な思いをしていました。そんな時、友人から、空き部屋を貸したいというスペイン人がいるという話を聞きつけ、早速引越しを決意しました。
3.(1人暮らし) 次のピソは12畳ほどのワンルームで毎月46,000ペセタ払っていました。部屋に電話は設置してありませんでしたが、テレビ、ベッド、テーブル、冷蔵庫、洗濯機等の生活必需品はありました。
学校以外に習い事をしていましたか?
友人の紹介でスペイン人からスペイン語の個人授業を受けていました。料金は1時間1,000ペセタで、近所の喫茶店で勉強していました。他には、セビジャーナスを週3回習っていました。受講料は月2,000ペセタでした。
その後、マドリッドに移動されたわけですが、マドリッドではどこの語学学校に通いましたか?
「サンペーレ」という語学学校に通いました。この学校の1日のスケジュールは、文法クラスが2時間、会話クラスが2時間でした。私は学校以外でスペイン語の個人授業を受けていたので、サンペーレでは文法のクラスのみ受講しました。
マドリッドのホームステイについて教えて下さい。
口コミで紹介してもらった、1人暮らしのスペイン人のおばあさん宅にホームステイをしました。場所は地下鉄Qubedo(ケベド)駅から徒歩5分のところです。家賃は1日1,500ペセタ(食事なし)で、洗濯機、台所、冷蔵庫、電話等は共同で自由に使用していました。電話代は請求書がきてから使用分のみ支払いました。
マドリッドでは、語学学校の他に何か習い事をしていましたか?
語学学校「サンペーレ」で紹介してもらったスペイン人と交換授業(インテルカンビオ)をしていました。しかしインテルカンビオは本気でスペイン語を勉強したい人には不向きかもしれません。結局、スペイン人とペルー人から個人授業を受けていました。授業料は1時間1,000ペセタから1,500ペセタくらいでした。
在留許可書や銀行口座開設について教えて下さい。
銀行はマラガにいた時に、銀行『Unicaja』で口座を開設しました。また、在留届けは「マラカ・インスティテュート」にいた時に申請しましたが、この時、学校の秘書が警察署まで同行してくれました。在留許可書は、約1ヶ月半で取得できましたが、首都のマドリッドでは交付までかなりの時間がかかると聞きました。
健康上のトラブルはありましたか?
水と気候が原因だと思いますが、スペインに着いて1ヶ月経った頃から顔の肌が荒れ始めました。留学前に日本で加入していた保険会社の指定病院で治療しました。
強盗の被害はありますか?
はい。滞在1年目でちょうど油断した頃だと思います。深夜、友人の日本人女性とマドリッドのソル付近を歩いていたら、男2人組みから襲われリュックを盗まれました。リュックの中には現金15,000ペセタ、アドレス帳、辞書を入れていました。背後から背中のリュックを無理に引っ張られたので、石畳の道の上に後ろ向きに倒れてしまい、腰と腕にケガをしました。
帰国後の就職活動について教えて下さい。
留学前は旅行業に10年近く従事していたので、その経験を活かして、帰国後も同じく旅行業界で約1年間派遣社員として働きました。その後、中南米専門の旅行業社に社員として正式に採用されました。
仕事でスペイン語に触れる機会は多いですか?
はい。日本に滞在するスペイン語圏の方との電話対応や、海外とのEメールやFAXのやり取りでスペイン語を使います。また、職場にもスペイン語圏の社員がいるので、その人たちとのやり取りも全てスペイン語になります。
日本からスペインに留学する場合、これだけは持って行った方がいいと思うものがあれば教えて下さい。
どこの語学学校でも、必ず一度は日本についてのスピーチをさせられると思うので、日本料理の本や、日本昔話の本、ひらがなの書いてある表などを持っていったら便利です。
ホームステイ宅へお土産に持って行ったものがあれば教えて下さい。
招き猫の置物、ふろしき、箸、日本風きんちゃく、油とり紙(湿気がないスペインでは必要ありませんでした)。
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