紀元前ローマ時代にまでその歴史を遡る「古都サラゴサ」には、
世界遺産をはじめとする名所旧跡が一杯!
このセクションでは、私が実際訪れてみて「ここだけは外せないっ!是非行ってみて〜♪」
とオススメする見どころを、写真中心にお伝えしていきます。
サラゴサで「観る!」 1
Basílica de Nuestra Señora del Pilar
ピラール聖母教会
サラゴサといえばピラール!ピラールといえばサラゴサ!これを観ずしては絶対に帰れません(笑)!
ピラールとはスペイン語で柱という意味。伝説によれば紀元前40年1月2日、この地で布教にあたっていた聖ヤコブ(サンティアゴ)の前に聖母マリアが現れ、「これで教会を建てるように」と1本の柱を渡したそう。これが “我らが柱の聖母教会” の発端で、教会内にはもちろんその奇跡の柱 (直径24センチ、高さ2メートルの大理石)が、大切に保存されています。訪れた誰もが柱の前にひざまずいて十字を切り、お約束のように敬虔なキスをしている姿が印象的でした。
丸天井のフレスコ画の一部には、サラゴサ出身の宮廷画家ゴヤが描いたものもあります。が、暗くてよく見えませんでした(泣)。
エブロ川のほとりにたたずむ貴婦人のような、ピラール聖母教会の姿。
この川ではカヌーのトレーニングも盛んです。
夕日を浴びてバラ色に染まるピラール聖母教会。
ロマンティックでもあり、また郷愁にかられる画でもあります。
高い塔にはエレベーターがあり、上まで昇るとサラゴサのパノラマが一望できます。
前の広場にある巨大な地球儀(?)のオブジェもステキ。
シンボルである彩色タイルで飾られた丸屋根。
青空に映えてとってもキレイ!
カトリック教会はここからスペイン全土、そして中南米諸国へと伝道されました。
「源の教会」ということで内部には各国の国旗が飾られています。
これは世界でも珍しいことで、ここだけでしか行われてないそう。
祭壇裏にある蝋燭台。
教会内での撮影は禁止されていますが、係りの人に懇願して撮らせてもらった1枚。
シャッター音すら邪魔になるほど、ただただ静かで厳かでした。
10月12日の「ピラール祭」には、普段は礼拝堂に祀られている聖母マリア像が出されそのマントを献花で覆おうと全国から大勢の信者で賑わう、ピラール広場。
ハトはこの広場のもうひとつのシンボルマークです。
ピラール広場奥にある噴水。
水の都サラゴサにふさわしく、豪快な水量(!)でしたよ。
ピラール広場にあるツーリスト・インフォメーション。
必ず1度はお世話になるはず。
Oficina de Turismo Plaza del Pilar
年中毎日10時〜20時までオープン
(ただし12月24日、31日は午後クローズ)
Tel: 976 393537 Fax: 976 721281
e-mail: infoturismopilar@zaragoza.es
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 2
La Lonja
ラ・ロンハ
ピラール聖母教会の並びにあるラ・ロンハ。ここは16世紀に建てられた穀物取引所ですが、今は展覧会場として使用されています。当時のサラゴサはバルセロナ、バレンシアと同様に貿易が盛んで、これらの都市にある交易所とよく似たスタイルのものが建造されたんですって。
ラ・ロンハ全景。
外部のデザインはフィレンツェ・ルネッサンス風です。
でも素材がレンガというのが、いかにも質実剛健・頑固なアラゴン気質を表しています。
よく見ると、外壁の上部には着色された木彫りの「人面像」がはめ込まれているんです!なんだかカワイイ♪ イカツイ雰囲気が和らぎますよね。
そして「軒の木工細工」はアラゴン地方のお家芸!あちこちで目にしますが、いずれも違わず素晴らしいアートと言えます。
ラ・ロンハ入り口の重厚な鉄製ドアと、そのデコレーション。
建設当時のものと思われます。
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 3
La Seo
ラ・セオ
セオというのはアラゴンの言葉でカテドラルのこと。正式名をサン・サルバドール大聖堂と言います。
メインの建物はイスラムのモスク、教会の壁はムデハル様式、塔はバロック様式、ファサードはネオクラシック様式と、増築の変遷に伴う“チャンプルー”の見事さが評価され、2001年に泣く子も黙る世界遺産に登録されました。
併設のタペストリー美術館には、14世紀〜17世紀のフランスとフランドル地方のタペストリーがコレクションされています。
セオの全景。
右の鐘楼は17世紀の作で、イタリア式だそう。
ワンちゃんの散歩に来た近所の人もついつい見とれてしまう、やっぱりここは世界遺産!
ここにも噴水が…。
夏の午後の渇きを視覚から潤してくれます。
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 4
Puente de Piedra
ピエドラ橋
全長910キロメートルと言われるエブロ川に架かる最古の橋が、このピエドラ橋(直訳すると石橋、ってそのまんま)!
礎が築かれたのはローマ時代、その上にゴシック様式で再建されたのが15世紀、そして18世紀後半には欄干の部分が付け加えられました。
エブロは毎年氾濫する川としても有名で、ちょうどサラゴザ市の辺りは田畑が水浸しになるという洪水に見舞われます(今春はEXPO会場も危なかった!)。とは言え、これが農作物にとっては無くてはならない恵みの水になるんですが…。ただ度を越しすぎると頑強な橋すら押し流す急流となり、昔からピエドラ橋は修復に修復が重ねられてきました。
この橋から眺めるピラール聖母教会が最も壮麗です!と、私は断言します。
ピエドラ橋。
現在目視できるアーチは7つですが、実は川辺を走る道路の下にもう1つアーチが隠れているんです。
別名「ライオン橋」とも呼ばれる所以が、両サイドに2頭ずつ鎮座ましますこの立派なライオン達。デッカ〜イ!!
20世紀初頭に1度撤去されましたが、1991年彫刻家・フランシスコ・ラジョの手によって再び甦ったブロンズ像です。
ローマ時代のものとは思えない新しさ!ピカピカですよ。照明灯もモダンです。
人も車もそして自転車も通れます。
橋の中ほどから見るエブロ川の流れ。ゆったりと…どっしりと…。
この先にはEXPO会場があります。
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 5
Palacio de la Aljafería (Part 1)
アルハフェリア宮殿(1)
と、ここまでは旧市街の名所旧跡だったんですが、このアルハフェリア(発音難し〜!)は、少し離れたところに位置する宮殿。サラゴサ市が誇るもう1つの世界遺産(2001年登録)です!
イスラム教徒によって11世紀に1階部が造られました。内部はまさにミニ・アルハンブラって感じですが、実は14世紀に建造されたアルハンブラ宮殿の方が、ここを模しているんですって。
アラブ建築のパラシオらしく、回廊には水路が引かれ、パティオにはオレンジの樹も植えられています。
アルハフェリア宮殿外観。
しっかりと修復されて、今は「アラゴン州議会本部」としても一部使用されています。
世界遺産の中に議会を置くなんて…、日本人にゃ真似できない(笑)。
サンタ・イサベルのパティオ
1階のイスラム宮殿にある「アルケリア」と呼ばれるアーチ郡。
とにかくスバラシー!!の一言。
光と影のコントラストが胸に迫り、思わずパチリ!
上階にあるのは「カトリック両王の部屋」の窓です。
歴史を感じる祈祷室の入り口。
手彫りの緻密な細工にはため息が出ます。
祈祷室内部。
天井に描かれた四角形を2つ合わせたマークは、ムデハルのシンボル。
馬蹄形アーチと天井装飾。
柔らかな光の秘密は、蛍石を薄く切ってガラス代わりに使っている窓にあります。
これらもムデハル様式の特徴の1つ。
宮殿の中では、皆一様に天井にカメラを向けています。
なぜかはこの後「パート2」で分かるヨ。
長い歴史の中では、ここが牢獄として使われたこともありました。
あえてリフォームしなかったこの壁面には、囚人が石で彫りつけた教会と人物像が残っています。
赤く塗られモダンに改装された部屋。
時々ミーティングなどに使われるとのことですが、州議会場ではありません。
先の部屋の手前にある大きな古井戸。
中には階段がありライトアップもされていますが、エブロ川が増水すると水位が上がるんですって。バリバリ現役!ちょっと怖かった〜。
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 6
Palacio de la Aljafería (Part 2)
アルハフェリア宮殿(2)
アラゴン王国独立以降は中2階部、2階部が増築されてカトリック両王の住まいにもなった宮殿。その見どころは、なんといっても多色天井装飾と漆喰装飾!
その豪華絢爛たる姿をパート2でお見せしまーす。
多色天井装飾 その1
中2階部 カトリック両王の部屋
多色天井装飾 その2
2階部 アラゴン王室の居室1
多色天井装飾 その3
2階部 アラゴン王室の居室2
多色天井装飾 その4
3階部 アラゴン王室の居室3
漆喰装飾 その1
カトリック両王の部屋の出口
漆喰装飾 その2
カトリック両王の部屋の扉
漆喰装飾 その3
イサベル女王が御成りになる時、足元を見ず顔を上げたまま降りたという階段と、漆喰装飾が施された窓。天井は多色装飾になっています。
その昔、宮殿の周りにはお堀が張り巡らされていました。
今は水が抜かれ、代わりに芝生が植えられています。
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 7
その他の観光スポット
ここではちょっとだけ、私が歩いて楽しかった通りや広場を写真で綴ります。
アルフォンソ1世通り
押しも押されぬ、サラゴサきってのショッピングストリート!通りはピラール広場へと続きます。
アルフォンソ1世通り
街灯という街灯には大きなお花の鉢が掛けられていて、夏の朝の散策には最適。
高級店やカワイイお店も多し。これはついお茶してしまったカフェ。
アルフォンソ1世通り
通りの名前もこのようにタイルで焼かれています♪
プラサ・デ・エスパーニャ
アルフォンソ1世通りを上って少し左に歩いたら、もうスペイン広場!
ここには既に何度か紹介した「PIE」もありますヨ。
パセオ・デ・インデペンディエンシア
スペイン広場から上に向かって伸びている、インデペンディエンシア大通り。
銀行、エル・コルテ・イングレス、ファーストフードからH&M、ZARA、MANGO、眼鏡屋さんまで…、ここで揃わないものは1個もない!と言い切れるサラゴサの目抜き通りです。急な買い物の強い味方!
プラサ・デ・アラゴン
インデペンディエンシア大通りを上り切るとぶつかるのが、このアラゴン広場。
世界的にも珍しい、正確な楕円形の広場です。それにしても鮮やかな旗色!目が覚めました。
ドン・ハイメ1世通り
ここはブティック、ファーマシー、スーパー、バル、レストラン、ギフトショップなどなど小さなお店がひしめき合うように並ぶショッピング・ゾーン。
そしてこの細道を…ツーリスト・バスが通るっ!!ゴーインだって(笑)。
2階に乗ったら街路樹の葉っぱでバシバシ引っぱたかれたヨ。
ドン・ハイメ1世通り
中ほどで見つけた、凝ったタイル装飾がステキなファーマシー。
ドン・ハイメ1世通り
メレンゲのお化けとそれに乗っかった鶏、黄身のスウィーツ、オレンジのワイン、リンゴのスウィーツ…といった気になる品揃えのお菓子屋さん。このショーウインドーの心とは??
文・写真:松嶋公美
サラゴサで「観る!」 8
ツーリスト・バスとサラゴサ・カード
市内を手っ取り早く観光したい人にもってこいなのが、ツーリスト・バス。
歴史的名所やEXPO会場をオーディオ・ガイド付きのバスで周ってくれて、
乗り降りは自由!
値段は6 (去年から1.8 も上がった!)、ルートは2タイプありますが1チケットで両方ともに乗車可です。
詳しいルートや運行時間はこちらを参考にしてくださいネ。
1番分かりやすいのはラ・ロンハ横のバス停。
始発でも終点でもあります。
ピエドラ橋の中ほどに差し掛かると、右手にピラール聖母教会が!!
一斉に歓声が上がる瞬間です。
橋を渡りきってライオンのお尻が見えてきたら、もうすぐ終点だヨ。
そしてこのツーリスト・バス、モニュメント、美術館、タパスなどがなんと無料、
その他50%、40%OFFの特典もてんこ盛りのおいしいシステムがあります!!
サラゴサ・カード!がそれ。
有効時間によって3つのタイプが用意されています。
24h → 14
48h → 19
72h → 23
【無料サービス】
・昼間運行のツーリスト・バス
・市内全てのモニュメント、美術館
・ガイドツアー(数カ国語にて)
・タパスとドリンク(7店の中から1店選択)
・5番・7番・9番の市内バス(乗換え可)
【最大50%OFF】
・ホテル
・レストラン、カフェ、バル(50店以上)
・サラゴサ見本市、カジノ、遊園地
【最大40%OFF】
・レンタカー
・ギフトショップや旅行代理店など
サラゴサ・カードは、ツーリスト・インフォメーションや協力店で販売しています。
またオンライン購入もこちらから可能!
もちろん、私もお世話になりましたよ〜♪
買うとこんなに一杯インフォが付いてきた!
文・写真:松嶋公美