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サラゴサで 「食べる!」

スペイン屈指の調理師学校があったり、古くから料理学会が開催されたりと、洗練されたガストロノミーの牽引役として存在し続けるサラゴサには、カジュアルに楽しめるアルタ・コシーナ(高級料理)のレストランがたくさんあります。
このセクションは、西料理界の陰の実力者(!)サラゴサ出身の フアン・バルバシル氏 こちらが薦めてくれた3店に、私が潜入&試食してきたレポートです。 ミシュラン・ガイドにも「非常に快適なレストラン」として紹介されているところばかり。 いずれも甲乙つけがたい、オトナのためのレストランでしたヨ〜♪

サラゴサで「食べる!」 1

Gayarre
ガヤーレ

Ctra. Aeropuerto, 370
50190 ZARAGOZA
TEL: (34) 976 344 386
http://www.restaurantegayarre.com

定休日:日曜夜および月曜
バケーション:8月休業
予算:30ユーロ〜

Gayarre

ガヤーレはサラゴサ空港、見本市からほど近いロケーション。
車で出かけるのがオススメです。
パーキングから緑のパッサージュを抜けて歩いて行くと、レストランのエントランス。

Gayarre

イギリス邸宅を模したというレストランのお庭!
整備された芝と木々が気持ちい〜い!
ここでは結婚式やプリメラ・コムニオンのバンケットも行われるんですって。

Gayarre

オーナーのマヌエル・ベルベガル氏と、前述のフアン・バルバシル氏。
(こうやって2人の名前を続けて書くと、まるで韻を踏んでいるよう)
去年オープン25周年を迎えたレストランのスタッフは、なんと!1人もメンバーが変わってないんだそうです。そして値段も当時と一緒!

Gayarre

ガヤーレの料理はクラシックかつモダン。
シェフのミゲル・アンヘル・レブエルト氏のレシピには、この土地のそして地中海地方の旬の食材だけが使われます。
例えばこれは、甘い(!)タマネギとオレンジのカルパッチョ
エブロ川沿いの田園では、Cebolla de Fuentesの名で有名な甘いタマネギが作られていて、フルーツ感覚で食べられています。
オレンジのさわやかな甘酸っぱさ、タラとオリーブの塩気&風味が見事にマッチングした珍しい1品。

Gayarre

ボラハスとアサリと魚のすり身のあっさりシチュー。
この茎のような野菜はスペイン語で「ボラハス (Borrajas)」と言います。ルリチシャのこと。 これもサラゴサの特産です。
魚のすり身の代わりにお米を入れるのがサラゴサの名物料理ですが、オリジナルはガヤーレの厨房から20年前に生まれ、サラゴサ中に広まったんだそう。
どこか懐かしい、素朴でやさしい味でした。

writer 文・写真:松嶋公美

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サラゴサで「食べる!」 2

La Mar
ラ・マール

Plaza de Aragón, 12
50004 ZARAGOZA
TEL: (34) 976 212 264
http://www.restaurantelamar.com

定休日:日曜
バケーション:聖週間と8月休業
予算:55ユーロ〜

La Mar

楕円の形で名高いアラゴン広場に1890年に建てられた小宮殿を、31年前にレストランとして改装。入り口の門をくぐると、この階段があります。
エレガントなエントランスには、椰子が生えています。

La Mar

私が訪れたのは11月某日の夜9時を回ってから…。
晩秋の日暮れは早く、この地方独特の「シエルソ (Cierzo)」と呼ばれる強い北風が吹き荒れます。
凍える寒さに階段を駆け上がり、転がり込むようにドアを開けると…

La Mar

わ〜〜、ステキッ!!暖かい色の照明にアンティーク調の内装…。
こわばっていた身体と気持ちが一気に和らぎます。
オーナーのロサ・フォルカノ氏と共に、2人の女給さん(って言葉がピッタリ!)がお出迎え。左に見えるカウンターで、スターターを引っかけてから奥のサロンへ進みます。

La Mar

こちらがサロン。どうです?この豪華さ!天井・床・ガラスは当時の姿のまま残され、17世紀の調度品で飾られています。
これから始まる非日常的な晩餐の予感に、つい頬がゆるんでしまう私(笑)。

La Mar

ラ・マールのオーナー・シェフ、フランシスコ・プイ氏は開業当初から厨房で采配を振り、今では300以上のレシピを誇る大ベテラン。
カルタには四季折々の食材がふんだんに取り入れられたメニューが並びます。
中でもご自慢なのが、このトリュフ仕立てのポーチド・エッグ
そう、アラゴン州はヨーロッパ屈指のトリュフの産地なのです。
スプーンで切込みを入れてみると…うーっ、中はトッロトロ!

La Mar

ブエイ(Buey)のフィレ肉ステーキ
ブエイとは去勢した雄牛のことですが、肉はとても希少で高価です。
なかなか本物にはお目にかかれないのですが、「ラ・マールのは正真正銘のブエイだよ」と同席した「龍吟(ミシュラン東京・2ツ星レストラン)」の山本征治シェフが太鼓判を押していたので、間違いないでしょう。
軟らかくて深いお味の肉を噛みしめる度に、身体中に幸せが広がりました!

writer 文・写真:松嶋公美

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サラゴサで「食べる!」 3

Aregonia Paradís
アラゴニア・パラディス

Casa Jiménez S/N. 50004 ZARAGOZA
TEL: (34) 976 794 243
http://www.palafoxhoteles.com

定休日:なし
バケーション:なし
予算:50ユーロ〜

Aregonia Paradis

サラゴサ中心街の5ツ星ホテル「パラフォックス」(Palafox)の中に、1999年にオープンしたレストラン。ここはホテル表からの入り口。
シンプルでクリーンなイメージの中にも高級感が漂います。

Aregonia Paradisr

「お客様がいらっしゃる時は撮影できません」とマネージャー氏に断られ、後日写真を撮りに行った私を、研修中のカマレロ君が迎えてくれました。
ランチタイムが終わり他のスタッフが帰った後も、彼は20時のオープンまでお留守番。テーブルセッティングもバッチリ!完了しています。

Aregonia Paradis

インテリアは業界最高峰のデザイナー、パスクア・オルテガ氏が担当。
居心地がよく落ち着ける空間の中、随所に散りばめられた前衛的センスが光ります。
個人的に好きなタイプです。

Aregonia Paradis

1人で食事に行ったって私はしっかり食べますヨ〜。ワインだって頼んじゃいます(ワインセラーには2000種以上を常備)♪
まずは、夏限定メニューのサルモレホでスタート!
これは、ご存知「ガスパチョ」に水に浸したパンを入れてミキサーでクリーム状にしたもので、コルドバが本場。
相方がコルドバ出身の私はサルモレホにはかなりうるさいんですが、ここのは…スゴク美味しかった!

Aregonia Paradis

アラゴニア・パラディスの自慢メニューは、なんと言っても米料理
ロブスターのリゾットが中でも一番人気だとか。
ということで、私もこれをいただいてみました。 濃厚なカルド(スープ)に絡むアロス(お米)と、プリプリのロブスターのコンビネーションは絶品!これを食べるためだけでも、サラゴサに行く価値ありですヨ。

writer 文・写真:松嶋公美

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kumi matsushima

マドリード発のラジオ番組「ソナ・ハポン」(Zona Japon)のディレクター&パーソナリティー。
番組は5周年を迎え、ますます内容充実、盛り上がっています!

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